人と触れ合うことが多い看護師の仕事では相手の理不尽な言動や行動に怒りを覚えるケースも少なくない。どういった理由であれ仕事中に怒りによる負の感情を表に出すことは患者に不安を与える原因となる。表に出さずなおかつストレスとして溜めこまない有効な手段の一つが6秒カウントだ。人間の怒りの感情はアドレナリンの分泌が要因と言われていて、アドレナリンは通常6秒掛けて体全体を駆け巡ると考えられている。6秒を過ぎれば徐々に沈静化していくので感情をコントロールすることも難しくない。仕事中に感情が込み上げる出来事があった時は頭の中で6秒数えるという作業を習慣づけてく必要がある。
時には自分の価値観を捨て去る作業も大切だ。看護師としてキャリアを重ねると無意識の自分の中でこうあるべきという価値観が芽生えてくる。価値観を持つこと自体はけして間違いではないが、固執し過ぎると異なる事象が起きた時に受け入れられなくなり怒りの感情が沸き上がってしまう。患者や同僚と接する時は一人ひとり違う人間だから返ってくる反応はそれぞれ違うという認識を持つことを忘れてはいけない。
そのほか、真面目な性格の人に多いのがイレギュラーな出来事での怒りだ。仕事中に予期せぬトラブルが起きた時に人間は負の感情を抱く、事実を受け入れて冷静に対処するという2種類のタイプに分かれる。毎日同じルーティーンで生活をしている人ほど怒りを覚えやすいので生活リズムを変えるなど柔軟性を身に着けておくことが大切だ。